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カミエコ日記

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紙の魅力を次世代へ──「紙ともっ!」出前授業の取り組み

「紙は木を伐ってつくられているから地球環境に悪い」──そんなイメージを持つ人は、少なくありません。

けれど、誤解されている部分があるのではないでしょうか。

 

製紙メーカーは、確かに木を伐採し紙の原料としています。しかし、木を伐るだけではありません。

森林資源を使う事業を行っているからこそ、むしろ、植林を行い、森を育て、健全な状態を維持する仕組みを長年かけてつくり上げてきました。

森は放っておけば自然に良い状態が保たれるわけではなく、適切に手入れ・管理する必要があります。

手入れ不足の森は、木が密集することで日光が地面まで届かなくなり、草木の根が張らないことにより、土砂災害が発生しやすくなってしまいます。

 

そこで重要になるのが、

「適切な管理伐採・間伐 → 植林 → 成長 → 再び伐採・間伐」という循環です。

 

若い木は老いた木に比べ、CO₂を多く吸収・固定します。

適切なタイミングで伐採し、新たに植林することで、森全体の“若さ”が保たれ、結果として森林の力が高まります。

つまり紙を使うことは、森を消費する行為ではなく、森を活かし、循環を回し続けるための大切な一歩にもなっているのです。

 

もちろん、紙の無駄遣いは避けるべきです。

しかし「紙=環境に悪い」という単純な構図ではなく、

紙を使う → 製紙メーカーが森林を適切に管理し、

木を伐る → 森が維持されるという、前向きなサイクルが存在していることは、もっと知られてよい事実です。

 

 

 

Paper&Greenを運営する日本紙パルプ商事では、こうした紙の価値を次世代に伝えるため、子どもたち向けの「紙ともっ!紙の出前授業」を行っています。

デジタルが生活の中心になりつつある今、子どもたちにとって紙に触れる体験は以前よりも貴重になっています。

 

紙は、触って、ちぎって、折って、音を聞いて──五感で楽しめる素材です。

ざらざら、つるつる、ふわふわ、すける……紙ごとに異なる質感を、子どもたちは驚くほど敏感に感じ取ります。

 

「これも紙なの?」「紙でこんなことができるの?」

 

そんな驚きの声が上がるたび、紙という素材の奥深さを改めて感じさせてくれます。

 

 

昨年「出前教室プロジェクトチーム」は品川区のSDGsイベントに出展し、紙のリサイクルや環境クイズを通して紙の魅力や役割を伝えました。

イベント内で実施した「自分だけのノートを作ろう」というワークショップでは、40種類もの紙を用意し、子どもたちが自分の感性で好きな紙を選びながら、世界にひとつだけのノートづくりに挑戦しました。

 

表紙用には、和紙のように温かみのある風合いの紙や、トレーディングカードのようにキラキラと光る紙など、個性豊かな素材が並びました。

本文には、書籍用紙のようにほんのり色味のある紙や、

手帳に使われるような筆がなめらかに走るつるつるの紙、

コミック雑誌で遣われている色更紙などをラインナップ。

 

子どもたちはそれぞれの紙を手に取り、触れ、比べながら、質感や書き心地の違いを楽しんでいました。

紙の多様性と奥深さを、まさに“肌で感じる”体験となったこの時間は、紙という素材の面白さを伝える貴重な機会となりました。

 

 

さらに、愛媛の「放課後わくわく教室」や品川区の小学校4年生を対象にした出前授業では、

紙芝居で紙の歴史や紙が繊維の集まりであること、そして森の循環、古紙循環を学んだあと、

「紙でつくろう、未来の〇〇」をテーマにグループワークを実施しました。

「焼き肉の味がする紙があったらおもしろい」

「紙の家、紙の家具で暮らす」

など、子どもならではの自由な発想が次々と飛び出し、紙の可能性がどれほど広いかを改めて感じさせられました。

 

紙は、折ったり切ったり、丸めたり描いたりと、どんな子でも自分のペースで表現できる素材です。

 

タブレットのように決まった操作もなく、「こうしなければいけない」という正解もありません。

だからこそ、子どもたちは自由に手を動かしながら、自分の発想をそのまま形にしていくことができ、その過程そのものが大きな学びになります。

 

 

また紙は、長い歴史の中で知識を次の世代へ受け渡してきました。デジタルが進む今でも、紙で学ぶと集中しやすい、記憶に残りやすいといった研究が多く、紙は変わらず人の学びを支える存在であり続けています。

 

 

さらに紙は、環境と向き合う素材でもあります。

リサイクルできること、森を育てながらつくることができること、使い方次第で環境負荷を減らせること──「紙ともっ!紙の出前授業」は、こうした紙の価値を子どもたちが自分の言葉で理解し、未来の選択肢を広げるきっかけにもなっています。

 

紙に触れて学ぶ体験を通して、

「紙ってこんな素材なんだ!」

「こんな使い方もできるんだ!」

といった気づきが自然に生まれ、身近なものの背景にある環境や循環にも目を向けるようになります。

 

こうした小さな発見の積み重ねが、子どもたちが自分で考え、選び、行動する力につながっていきます。

 

紙に触れ、感じ、考える。

 

「紙ともっ!紙の出前授業」が、紙の魅力や可能性に気づくきっかけとなり、子どもたちの学びをそっと広げていく場になれば嬉しく思います。

 

“Paper&Green”を運営する日本紙パルプ商事は、これからも紙の未来と資源の大切さを、次の世代へ丁寧に伝え続けていきます。

 

 

 

byだいだい

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