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(株)エコペーパーJP 紙のリサイクル工場 『エコ』な秘密を見つける探訪記

先日、日本紙パルプ商事グループ/株式会社エコペーパーJPを訪問してきました。
日本紙パルプ商事のグループ企業の強みを知れる大変良い機会となりましたので、その内容を、社名にもなっている『エコ』に沿ってご紹介致します。

株式会社エコペーパーJP 愛知県尾張旭市 (ecopaper.jp)

株式会社エコペーパーJPは、抄紙機を2台所有しています。PM1と呼ばれる1号抄紙機では、主にラフ更と呼ばれる印刷用紙や通販の緩衝材に使用されるボーガスペーパーが生産されます。その生産量は、年間34,000トン。
さらにPM3と呼ばれる3号抄紙機では、段ボール原紙(中芯原紙)が生産されます。中芯原紙とは、段ボールの中層部分の波型の部分に使われる紙です。その生産量は、年間102,000トン。

これら年間で生産される製品は、自治体や一般家庭から回収した新聞雑誌や段ボール古紙など、100%古紙を原料として製造しています。最近よく耳にする『クローズドループ(サーキュラーエコノミー)』、資源循環型経済の実現を目指しており、廃棄物を削減するばかりでなく、持続可能な原材料の調達に努めています。→『エコ』その1です。

また、紙を生産するには、多くの水を必要とします。その水の調達と排水方法にも『エコ』な秘密が隠されていたのでご紹介します。
株式会社エコペーパーJPでは、豊富にある地下水をくみ上げて紙の生産に活用しています。しかも、使用後の水は同社にある排水処理設備で水をきれいにし、ごみ等を取り除いたうえで川に放流します。
その川を見てきましたが、なんとその川にはスッポンが伸び伸び泳いでいる姿を見ることができました。川を汚すことなく、環境負荷の軽減を実現した紛れもない証を目の当たりにすることができました。→『エコ』その2です。

最後に、紙の生産に必要不可欠なエネルギーの調達方法に隠された『エコ』の秘密をご紹介します。紙を生産するには生産機械を動かす電気エネルギーと、生産直後の紙を乾燥させる熱エネルギーを必要とします。これらのエネルギーを調達するために、建築に使用された木材の廃材から木材チップを調達し、それを燃料とすることでバイオマス発電を行います。
こうして生産に必要な電力の一部を確保しています。このバイオマス発電は、1983年以降継続しているとのことで、長い歴史の中、エコな取り組みにも注力していることに感銘を受けました。
そして、熱エネルギー源の一部には、RPF(Refuse derived paper and plastics densified Fuel)と呼ばれる、廃棄物から作られるリサイクル燃料を使用しています。これを使ってボイラーの燃料にしています。さらに、生産の過程で出る軽量異物(製紙スラッジ)をも熱エネルギーの元にしてしまう徹底ぶり!→『エコ』その3です。

ここまで、3つの『エコ』に沿って、株式会社エコペーパーJPの特徴・強みをご紹介してきました。同社は(前身のトキワ時代である)1966年に製紙事業を開始以降、古紙のリサイクル事業に重きを置き、ここまで紹介したような多くの点においても、自然環境の保全に取り組んでいます。

今回、株式会社エコペーパーJPの訪問を通じて、紙の生産・販売に携わる者の一人として、同じグループ企業で仕事できることに誇りを感じる、よい機会となりました。

by 紙の子 メッシ

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