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(株)エコポート九州 訪問記/熊本にある“リサイクルの百貨店”!!

先般、九州に出張した際に、熊本市にある当社のグループ会社/(株)エコポート九州を訪問しました。
同社は、2010年に開業した、“リサイクル産業の百貨店”のようなユニークな会社です。

紙の専門商社の当社と、地元・九州での強大なネットワークを持つ、石坂グループが共同出資しています。

“リサイクル産業の百貨店”と言いましたが、それはなぜかと言いますと、この会社では、自治体が回収した容器包装リサイクルプラスチックの破砕、選別、プラスチックの再資源化を行っているだけではなく、自治体・金融機関・企業からお預かりした機密書類を厳重に回収・保管し、最終的には溶解して古紙パルプを生産して製紙原料として再生しており、プラスチックも紙も新たに生まれ変わらせることができるからです!

つまり、プラスチックも、紙も、その役割を果たした後に、新たに再生させ、資源の有効活用を実現することができるのです。
でも、この会社、実はそれだけではないのです!再生プラスチック原料や古紙パルプを生産する際に発生するスラッジ(残渣)をも再利用して、木材残渣と組み合わせ、RPF※も自社で生産しているのです!(※「RPF」とは Refuse derived paper and plastics densified Fuel の略称であり、主に産業系廃棄物のうち、マテリアルリサイクルが困難な古紙及び廃プラスチック類を主原料とした高品位の固形燃料のことをいいます。)
RPFは化石燃料などの限りある資源の代替として、製紙メーカーなどのボイラー燃料として活用されており、CO2排出削減の効果が大きく注目されています。

(エコポート九州で製造されたRPF)

つまり、プラスチックも紙も再生し、さらにそこから出た残渣もRPFにしてしまうという、まさに“リサイクル設備の玉手箱”のようなプラントなのです!
私が特に感動したのは、容器リサイクルプラスチックの選別過程です。自治体で市中回収された容器包装プラスチックは、「プラマーク」の入った廃棄物ですが、そこには、PP、PET、PE、PS、PVCなど、ありとあらゆるプラスチックが混ざっています。それを、選別機に通して重量比で分けたり、選別担当者が目と手で選別したり、自動の光学式選別機を複数回通したりして、どんどんプラスチックを選別していくのです!
PP、PE、PSは再生プラの原料として選別され、PVCはセメントの燃料・原料に、その他の残渣はRPFの原料にと、どんどん振り分けられていきます。超ハイテクですね!

(選別中の容器包装プラスチック)

市中回収されたプラスチックは、「プラマーク」の入った包装材料が基本ですが、中には、リチウムイオン電池が内蔵された商品が混ざっていることがあるそうです。これが非常に厄介なのですが、破砕した際に、中からリチウムイオン電池が出てきて、発火してしまい、他のプラスチックに燃え広がってしまう恐れがあります。
最近流行している電子タバコやハンディ扇風機などは、その典型で、外からバッテリーが見えないため、そのまま廃棄されてしまうことが多いようです。
火災を起こさないよう、破砕機にスプリンクラーを設置したり、カメラで監視したり、バッテリー対策は非常に大変なのです。
皆様も、リチウムイオンバッテリーを廃棄する際には、お取り扱いをご注意ください!

(選別が進んでいきます。)

機密書類の回収・保管に当たっては、厳格に管理された倉庫を使用したり、溶解プラントには社内の人間で関係者以外が自由に出入りできないように管理されています。
九州エリアが対象になりますが、機密書類の保管や処分をお考えの皆様、ぜひ私共にご相談ください!
実は、古紙パルプを生産するだけではなく、そのパルプを使って、緩衝材に使われるクレープ紙という紙もエコポート九州は生産しています。
例えば、企業からお引き取りした機密書類を溶解して、クレープ紙を生産し、その企業にお買い上げいただいて緩衝材として使用していただく、というアイデアも可能です。
クローズドループリサイクルの一つの形です。

(エコポート九州で製造される機密書類を原料としたクレープ紙(緩衝材))

熊本新港に隣接している“リサイクル産業の百貨店”エコポート九州は、九州で社会貢献を実現しています。エコポート九州に興味をお持ちの方は、当サイトにお問い合わせください。

エコポート九州 | 九州最大級のリサイクル拠点 (eco-port.jp)

by Q太郎

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